同一労働同一賃金・待遇格差

弁護士岩本尚光|静岡県全域の労働問題

正社員との待遇の差に、疑問を感じている方へ

「同じ仕事をしているのに、手当や賞与が出ない」「契約社員だからという理由で待遇が違う」。雇用形態による待遇の差がすべて違法になるわけではありませんが、不合理な差は法律で禁止されています。仕事の内容や責任、会社の説明をもとに、その差が不合理かどうかを整理します。

静岡県全域対応 契約社員・パート・派遣の方に対応 在職中・退職後どちらも相談可能 オンライン相談対応

会社には、正社員との待遇の差の内容と理由を説明する義務があります。説明を求めたことを理由とする不利益な取扱いも禁止されています。

Worriesこのようなお悩みはありませんか

手当が支給されない

正社員に出る通勤手当や皆勤手当が、自分には出ない。

賞与がない・少ない

同じように働いているのに、賞与が支給されない。

退職金がない

長く勤めているのに、退職金の対象外と言われた。

休暇に差がある

夏季休暇や病気休暇が、正社員にしか認められていない。

福利厚生に差がある

食堂や休憩室、更衣室を使わせてもらえない。

定年後の再雇用で給料が大きく下がった

仕事の内容はほとんど同じなのに、給料が大幅に下がった。

派遣先の社員との差

派遣先の社員と同じ仕事なのに、待遇が大きく違う。

理由を説明してもらえない

待遇の差について尋ねても、きちんとした説明がない。

すべての差が違法になるわけではありません。差の内容と理由を、一つずつ確認することが大切です。

About同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金は、同じ会社の中で、正社員(無期雇用のフルタイムの社員)と、パートタイム・有期雇用・派遣の社員との間の、不合理な待遇の差をなくそうとするルールです。

パートタイム・有期雇用労働法

同じ会社の正社員と、パートタイムの社員・契約社員などとの間で、不合理な待遇の差を設けることを禁止しています(8条)。仕事の内容や責任の程度、配置転換の範囲などが正社員と同じ場合は、差別的な取扱いそのものが禁止されています(9条)。

適用の時期

大企業には2020年4月から、中小企業には2021年4月から適用されています。

派遣社員の場合

労働者派遣法により、派遣先の社員との均等・均衡を確保する方式か、一定の要件を満たす労使協定で待遇を決める方式のどちらかで、待遇を確保することになっています。

対象となる待遇

基本給だけでなく、賞与、各種手当、休暇、福利厚生、教育訓練など、すべての待遇が対象です。待遇ごとに、その性質や目的に照らして判断されます。

Rules均等待遇と均衡待遇

正社員との違いの程度によって、求められるルールが変わります。

項目均等待遇(9条)均衡待遇(8条)
対象となる場合仕事の内容と責任の程度、配置転換の範囲が、正社員と同じ場合それ以外の場合
ルール待遇について、差別的な取扱いをしてはならない待遇の差が、不合理なものであってはならない
判断の方法正社員と同じ扱いが求められる仕事の内容・責任、配置転換の範囲、その他の事情のうち、その待遇の性質・目的に照らして適切なものを考慮して判断される

※表は横にスクロールできます。

By Treatment待遇ごとの考え方と、主な最高裁判決

基本給

能力・経験・成果・勤続年数など、基本給を決める要素が同じであれば同じ支給が、違いがあれば違いに応じた支給が求められます。定年後の再雇用で基本給が大きく下がった事案では、基本給の性質や目的を踏まえて判断すべきとした最高裁判決があります(令和5年7月20日)。

賞与

会社の業績への貢献に応じて支給するものは、同じ貢献には同じ支給が求められます。一方、大学のアルバイト職員への賞与の不支給について、不合理とまではいえないとした最高裁判決もあり、事案ごとの判断になります(令和2年10月13日)。

各種手当

手当の目的が同じように当てはまる場合は、同じ支給が求められます。契約社員への皆勤手当・無事故手当・作業手当・給食手当・通勤手当の差を、不合理と判断した最高裁判決があります(平成30年6月1日)。

家族手当・休暇

日本郵便の事案では、扶養手当、年末年始勤務手当、夏期冬期休暇、有給の病気休暇などの差が、不合理と判断されました(令和2年10月15日)。

退職金

退職金の不支給について、不合理とまではいえないとした最高裁判決があります(令和2年10月13日)。ただし、退職金の性質や勤続の実態によって、判断が変わり得ます。

定年後の再雇用

定年後に再雇用されたことは、待遇の差が不合理かを判断する際の「その他の事情」として考慮されます(平成30年6月1日)。

福利厚生

食堂・休憩室・更衣室など、同じ事業所で働く人には、同じように利用を認めることが求められます。

※ここで紹介した最高裁判決は、改正前の労働契約法20条に関するものですが、現在のパートタイム・有期雇用労働法の解釈でも参考にされています。

Explanation会社には、待遇の差を説明する義務があります

雇い入れのとき

会社は、パートタイム・有期雇用の社員を雇い入れたとき、待遇の内容などについて説明しなければなりません(パートタイム・有期雇用労働法14条1項)。

説明を求めたとき

正社員との待遇の差の内容と理由について説明を求められたときは、会社は説明しなければなりません(同条2項)。

不利益な取扱いの禁止

説明を求めたことを理由として、解雇や雇止めなどの不利益な取扱いをすることは禁止されています(同条3項)。

会社の説明の内容は、後の交渉や手続きで重要な資料になります。書面やメールで記録を残しておきましょう。

Claims請求できるものと、時効

差額に相当する損害賠償

不合理な待遇の差があった場合、差額に相当する分などを、損害賠償として会社に請求できる可能性があります。

正社員の条件に自動的に置き換わるわけではありません

待遇の差が不合理とされても、労働契約の内容が自動的に正社員と同じになるわけではないとした最高裁判決があります(平成30年6月1日)。そのため、損害賠償の請求と、今後の待遇の是正を求める交渉が中心になります。

時効に注意

損害賠償の請求には時効があります(原則として、損害と加害者を知った時から3年)。過去の分をさかのぼって請求できる期間には限りがあるため、早めにご相談ください。

Evidence重要になる証拠

正社員との仕事の内容や責任の違い、待遇の差を示す資料が手がかりになります。

正社員用の就業規則・賃金規程 パート・契約社員用の就業規則 雇用契約書・労働条件通知書 給与明細・賞与明細 仕事内容が分かる資料(マニュアルなど) 業務の指示のメール・チャット シフト表・勤怠記録 異動・配置転換の実績 会社の説明の記録(書面・メール)

ほかの社員の給与明細などを無断で持ち出すことは避けてください。何をどう集めるかから、一緒に確認します。

Solutions解決の方法

状況に応じて、次のような方法を選びます。

方法特徴
会社への説明の求めまず、待遇の差の内容と理由について、説明を求めます(パートタイム・有期雇用労働法14条2項)。
労働局の調停都道府県労働局で、待遇の差をめぐる紛争について、無料の調停(均衡待遇調停会議)を利用できます。
弁護士による交渉弁護士が代理人として、差額の支払いや待遇の是正を会社に求めます。
労働審判裁判所で、原則3回以内の期日で審理し、話し合いや審判で解決を図ります。
訴訟待遇の差が不合理であることを主張・立証し、損害賠償などを求めます。

Flow相談の流れ

  1. お問い合わせ・相談予約

    お電話またはメールフォームからご連絡ください。来所のほか、オンライン相談にも対応しています。事前予約により、平日夜間・土日のご相談に対応できる場合があります。

  2. 待遇と仕事内容の確認

    正社員との待遇の差と、仕事の内容・責任・配置転換の範囲などを伺います。

  3. 不合理かどうかの検討

    待遇ごとに、その性質や目的に照らして、差が不合理といえるかを検討します。

  4. 説明の求め・交渉

    会社に説明を求め、必要に応じて弁護士が代理人として交渉します。

  5. 調停・労働審判・訴訟の検討

    交渉でまとまらない場合は、労働局の調停や、労働審判・訴訟を検討します。

  6. 解決

    差額の支払いや、待遇の是正などで解決します。

Merit弁護士に相談するメリット

待遇の差を法的に整理できる

待遇ごとに、不合理といえるかを、法律と判例に照らして検討できます。

会社の説明を検証できる

会社から示された理由が、待遇の性質や目的に照らして妥当かを確認できます。

請求できる額を見積もれる

差額に相当する損害や、時効を踏まえた請求の範囲を整理できます。

会社との交渉を任せられる

ご本人に代わって、弁護士が会社との交渉の窓口になれます。

在職中の進め方も相談できる

働き続けながら是正を求める方法や、タイミングを一緒に考えます。

弁護士岩本尚光は、待遇の一つひとつと会社の説明を確認し、見通しを整理したうえで、現実的な解決方法を一緒に考えます。

Fee待遇格差の弁護士費用

ご相談内容、資料の状況、交渉・労働審判・訴訟の必要性などにより、費用は異なります。ご依頼の前に、見通しと費用をできる限り分かりやすくご説明します。

ご相談料

ご相談の内容によって異なります(多くの分野で初回60分無料)。詳しくは「弁護士費用」のページでご確認いただけます。

ご依頼の費用

着手金・報酬金は、ご依頼の内容(説明の求め、交渉、労働審判、訴訟など)によって異なります。ご依頼の前に、必ずお見積りをお伝えします。

具体的な費用は、事案の内容により異なります。正式なご依頼の前に、弁護士費用をご説明し、ご納得いただいたうえで進めます。詳しくは「弁護士費用」のページもご覧ください。

FAQよくある質問

パートや契約社員でも、正社員と同じ待遇を求められますか?
仕事の内容や責任、配置転換の範囲などが正社員と同じ場合は、差別的な取扱いが禁止されています。違いがある場合でも、その違いに比べて不合理な待遇の差は認められません。待遇ごとに判断します。
会社に待遇の差の理由を聞いてもよいですか?
はい。会社には、求めに応じて待遇の差の内容と理由を説明する義務があります。説明を求めたことを理由とする不利益な取扱いも禁止されています。
定年後の再雇用で給料が下がりました。違法ですか?
定年後の再雇用であることは、待遇の差を判断する際の事情の一つとして考慮されます。給料が下がったことだけで、直ちに違法とはいえませんが、仕事の内容がほとんど変わらないのに大幅に下がった場合などは、個別に検討する余地があります。
派遣社員でも対象になりますか?
はい。派遣社員の待遇は、派遣先の社員との均等・均衡を確保する方式か、労使協定による方式で決めることになっています。どちらの方式かによって、確認するポイントが変わります。
過去の分もさかのぼって請求できますか?
損害賠償として請求できる可能性がありますが、時効(原則として、損害と加害者を知った時から3年)があるため、さかのぼれる期間には限りがあります。
在職中に請求すると、居づらくなりませんか?
ご心配はもっともです。説明を求めたことなどを理由とする不利益な取扱いは禁止されています。進め方やタイミングは、ご事情に合わせて慎重に検討します。
会社に知られずに相談できますか?
ご相談の内容が会社に伝わることはありません。弁護士には法律上の守秘義務があります。会社への連絡は、ご本人の同意なく行いません。
本ページは、同一労働同一賃金・待遇格差に関する一般的な情報をご案内するものです。パートタイム・有期雇用労働法、労働者派遣法などは改正されることがあり、待遇の差が不合理かどうかは、待遇ごとの性質や目的、仕事の内容などによって個別に判断されます。結果をお約束するものではありません。個別の事案については、弁護士にご相談ください。